WordPressプラグイン記事2件目です。Reoです。
前回の記事「【WordPress】カスタム投稿タイプを自作プラグインで追加してみよう!」では、自作プラグインでカスタム投稿タイプを追加する方法を紹介しました。
今回は、投稿ページに追記欄を追加するプラグインを作ってみようと思います。
こういうのんですね。
うるおいらんどではここに追記を書くとこんな感じで表示されるようにしています。
プラグインを作成する
さて、まずはプラグインのフォルダを作成します。
wp-content > plugins 内に additional-post-pluginというフォルダを作成。
その中に additional-post-plugin.php というファイルを追加して、以下を記述。
同じフォルダ内にclass.additional-post.phpを追加します。 class.addtional-post.phpに以下を記述します。
これでとりあえずプラグインの準備ができました。
ダッシュボードからプラグインを有効化できるか確認しておきましょう。
有効化できれば準備はおkです。
残りは全て class.additional-post.php 内のクラスAdditional_Post 内に記述していきます。
カスタムフィールドを追加する
投稿ページに追記欄を追加するには「
Additional_Postに以下を追記します。
class Additional_Post {
private const label = '追記';
private const id = 'additional';
// インスタンス生成時に呼ばれる
public function __construct() {
add_action( 'admin_menu', array($this, 'add_custom_field') );
}
/**
* カスタムフィールドを追加する 追記欄
*/
public function add_custom_field() {
add_meta_box(
self::id, // 表示されるボックスのHTMLでのID名,
self::label, // ラベル
array( $this, 'insert_custom_field'), // 表示する内容の関数
'post', // 表示させたい投稿タイプ
'normal' // 表示方法 normal / side / advanced
);
}
/**
* 入力欄
*/
public function insert_custom_field() {
echo "追加したカスタムフィールドが表示される場所だよ";
}
}
add_meta_boxを使って通常の投稿ページにカスタムフィールドを設置しています。
add_meta_boxは管理画面でのみ呼び出されるようにadd_actionで登録しています。
add_meta_boxについてざっくりと。
第1引数
id名です。
第2引数
ラベル名です。
idとラベル名はクラス内で定数で制限しましたが全然直打ちでいいと思います。
第3引数
実際に表示する内容を記述した関数名を書きます。プラグインなのでここは配列にして$this指定をしています。
第4引数
表示させたい投稿タイプを指定します。現在postを指定しているので通常の投稿欄でのみ表示されます。
複数の投稿タイプで表示させたい場合は、配列で設定すればおkです。
add_meta_box(
self::id, // 表示されるボックスのHTMLでのID名,
self::label, // ラベル
array( $this, 'insert_custom_field'), // 表示する内容の関数
array('post','page','news'), // 表示させたい投稿タイプ
'advanced' // 表示方法 normal / side / advanced
);
この場合は通常投稿・固定ページ・カスタム投稿のニュースで追記欄を表示します。
第5引数
表示方法です。
normalとadvancedの場合は投稿の下にボックスが追加されます。
sideの場合はサイドに配置されます。
normalとadvancedの違いってなんだろうって調べてみました。
[ WordPress ] 独自のカスタムフィールドを設定する | WebScripter.jp によると、
normal:$priorityのhigh、lowを指定した場合、既存のメタボックスも含めて配置される順序が決定される。
advanced:原則既存のメタボックスの後ろに追加されるが、$priorityで優先順位を指定した場合、advancedが指定されたメタボックスの中で順序が決定される。 [ WordPress ] 独自のカスタムフィールドを設定する | WebScripter.jp
だそうです。
初期値はadvancedです。
今回指定していませんが、第6引数に優先度、第7引数にコールバックがあります。
詳しくは、リファレンスで。
入力欄を実装する
入力欄を実装します。
// 保存したいデータラベル
private const title = 'additional_title';
private const content = 'additional_content';
private const time = 'additional_time';
/**
* 入力欄
*/
public function insert_custom_field() {
global $post;
$title = self::title;
$content = self::content;
// 現在の値
$title_value = get_post_meta( $post->ID, $title, true );
$content_value = get_post_meta( $post->ID, $content, true );
echo "タイトル:
";
echo "内容:
";
}
を追加します。
global $postで現在編集している投稿のデータを取得して、そこから$post->IDで投稿IDを取得しています。
やっていることは、投稿に紐づけられている保存したデータを$title_valueと$content_valueにいれて、それをテキストエリアに表示しています。
これで、入力欄はできました。
内容を保存しよう
現時点では追記内容を書いても消えてしまいます。
なので書いた内容を保存できるようにしていきます。
/**
* 保存処理
*/
public function save_custom_field( $post_id ) {
$labels = array( self::title, self::content );
foreach ($labels as $label) {
if(!empty($_POST[$label])){
update_post_meta($post_id, $label, $_POST[$label] ); //値を保存
}else{
delete_post_meta($post_id, $label); //値を削除
}
}
// 追記時間を保存
update_post_meta( $post_id, self::time, date("Y/m/d") );
}
この関数を、投稿が保存された時に呼び出すようにフックをかけます。
// インスタンス生成時に呼ばれる
public function __construct() {
add_action( 'admin_menu', array($this, 'add_custom_field') );
// 投稿が保存された時に呼ばれる
add_action( 'save_post', array( $this, 'save_custom_field') );
}
update_post_metaで値を保存しています。空だった場合は削除しています。
ついでに追記をした時間も保存しています。
これで保存できました。ヤッター∩(〃・ω・〃)∩
nonceを設定しよう
さて、ここまでで一応カスタムフィールドの追加も保存もできたのですが、もう少しセキュアなものにしましょう。
nonceとは
nonce(ノンス)は、ある種の誤使用や悪意のある操作から URL やフォームを守るための「一度だけ使われる数値」です。WordPress の nonce は実際には数値ではなく、数字と英字で作られたハッシュです。また、本当に一度だけ使われるのではなく、無効になるまでの「有効期間」を持っています。その期間では、同じユーザーの同じコンテキストに対して、同じ nonce が生成されます。つまり、ある操作に対する nonce は、nonce の有効期間が切れるまで同じユーザーについて同じ値を保ちます。
上記のように本来の nonce と違いはありますが、WordPress のセキュリティトークンもほとんど同じ用途を満たすので "nonce" と呼ばれます。(WordPress の nonce は)CSRF を含む何種類かの攻撃から保護する助けになりますが、完全に一度しか使えない訳ではないので反射攻撃(replay attack)から守ることはできません。
CSRFからの攻撃から保護するものです。
実際にadd_meta_boxのリファレンスでのコードにもnonceが用いられています。
なのでこれをそのままマネッコして実装しましょう。
insert_custom_fieldにnonceの設定を追記
/**
* 入力欄
*/
public function insert_custom_field() {
global $post;
// nonceフィールドを追加して後でチェックする
wp_nonce_field( wp_create_nonce(__FILE__), 'nonce_custom_field' );
$title = self::title;
$content = self::content;
// 現在の値
$title_value = get_post_meta( $post->ID, $title, true );
$content_value = get_post_meta( $post->ID, $content, true );
echo "タイトル:
";
echo "内容:
";
}
wp_nonce_fieldの使い方はリファレンスにて。説明できるほど理解できてない感じで申し訳ないです。
save時にチェックをします。 save_custom_fieldにて
/**
* 保存処理
*/
public function save_custom_field( $post_id ) {
/*
* save_postアクションは他の時にも起動する場合があるので、
* 先ほど作った編集フォームのから適切な認証とともに送られてきたデータかどうかを検証する必要がある。
*/
// nonceがセットされているかどうか確認
if ( ! isset( $_POST['nonce_custom_field'] ) ) {
return;
}
// nonceが正しいかどうか検証
if ( ! wp_verify_nonce( $_POST['nonce_custom_field'], wp_create_nonce(__FILE__) ) ) {
return;
}
// 自動保存の場合はなにもしない
// if ( defined( 'DOING_AUTOSAVE' ) && DOING_AUTOSAVE ) {
// return;
// }
// ユーザー権限の確認
if ( isset( $_POST['post_type'] ) && 'page' == $_POST['post_type'] ) {
if ( ! current_user_can( 'edit_page', $post_id ) ) {
return;
}
} else {
if ( ! current_user_can( 'edit_post', $post_id ) ) {
return;
}
}
/* 安全が確認できたのでデータを保存する */
$labels = array( self::title, self::content );
foreach ($labels as $label) {
if(!empty($_POST[$label])){
update_post_meta($post_id, $label, $_POST[$label] ); //値を保存
}else{
delete_post_meta($post_id, $label); //値を削除
}
}
// 追記時間を保存
update_post_meta( $post_id, self::time, date("Y/m/d") );
}
ラインを引いたところを追加します。
自動保存時は別に呼んじゃっていいかなと思ったのでコメントアウト。
なんども言いますが、詳しくはadd_meta_boxのリファレンスで!
これで追記欄を作成することができました!やったね!
ショートコードを設定しよう
さて、あとはこれを実際に表示するだけです。
実際にこのまま利用する場合は、テーマ内の表示したい場所に
ID, 'additional_content', true)): ?>
ID, 'additional_time', true); ?>追記
ID, 'additional_title', true); ?>
ID, 'additional_content', true); ?>
こんな感じに追記します。
とってもわかりづらいし、ごちゃごちゃします。保存したデータの名前を間違えやすいです。
なのでショートコードを書くと表示できるようにしましょう。
[[additional]]
このぐらいで表示できるようにしちゃいます。
__constructでショートコードを追加します。
// インスタンス生成時に呼ばれる
public function __construct() {
add_action( 'admin_menu', array($this, 'add_custom_field') );
// 投稿が保存された時に呼ばれる
add_action( 'save_post', array( $this, 'save_custom_field') );
// ショートコードを追加
add_shortcode( 'additional', array( $this, 'display_shortcode' ));
}
第一引数のadditionalが実際にショートコードの[[additional]]の名前になります。
第二引数で、このショートコードが使われた時の関数を指定していますので、その関数を実装します。
/**
* ショートコード実行時
*/
function display_shortcode() {
global $post;
$labels = array(
'タイトル' => self::title,
'内容' => self::content,
'追記時間' => self::time
);
$field_id = self::id;
$html_text = "";
// 出力
foreach ( $labels as $label_name => $label ) {
$value = get_post_meta($post->ID, $label, true);
$html_text .= "{$label_name}:{$value}";
}
$html_text .= "";
return $html_text;
}
出力タグはお好みで。
あとはテンプレート内で、
とかけばおkです。
ショートコードなので一応投稿画面で書くと、コンテンツの途中に挟むこともできます。
こんな感じです。
ちなみにこのショートコードでechoすると、記事本文に埋め込んだ時に表示される場所がおかしくなります。なのでreturnを使ってください。
全体コード
お疲れ様でした。ようやく終わりです。
https://gist.github.com/uruly/01ed5af2d997f9b544182deac76cc9d1
今回はWordPressプラグインの作り方からの説明を、前回ほど詳しくしなかったのでもっと記事が短くなると思っていたんですが、思ったよりめっちゃ長くなりました。
読んでくれた方もお疲れ様です。
週末まではちょっとしんどそうな案件が入ったので、WordPressプラグイン作成記事はしばらくお預けにします。
ブログ強化月間中なので、もう少し軽めの記事は書く予定です。
それではでは〜。
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